5.8. /etcディレクトリ
5.8. /etcディレクトリ
/etcディレクトリには各種システム環境設定ファイルが格納されているため、一般ユーザでは不用意にさわることができない(読めるファイルは多いが、書き込みはできない)ようになっています。管理者は必要に応じて/etcディレクトリ内の各ファイルの中身を確認したり編集したりする必要があります。/etcディレクトリ内には多数の設定ファイルが存在していますが、ここではユーザ情報が格納されているファイル(/etc/passwd)、およびグループ情報が格納されているファイル(/etc/group)を紹介します。それぞれのファイルを実際に見ていきましょう。
$ cat /etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
bin:x:1:1:bin:/bin:/sbin/nologin
daemon:x:2:2:daemon:/sbin:/sbin/nologin
...
SL6:x:500:500:SL6:/home/SL6:/bin/bash
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/etc/passwdファイルは、一行につき一人の情報となっています。コロン(“:”)で区切られていて、それぞれには以下の情報が格納されています。
- ユーザ名です。
- もともとはここに暗号化されたパスワードが入っていましたが、現在はセキュリティを高めるために別のファイル(/etc/shadow)に収められています(シャドウパスワード機能)。現在はダミー文字として“x”が入っています。
- ユーザID(uid)です。Linuxの中のユーザは全てuidで管理されています。ls等のコマンドではユーザ名が表示されますが、それはプログラムが必要に応じてuidをユーザ名に変換して表示しているに過ぎません。
- グループID(gid)です。各ユーザはなんらかのグループに所属します。グループ名との対応表は/etc/groupに記載されていますが、その中から該当する番号が入ります。
- 個人情報フィールドです。任意で入力できるため、空欄のものもあります。
- ホームディレクトリです。
- コンソールを起動した時に呼び出されるシェルプログラムです。Linuxではbash(/bin/bash)が用いられますが、好きなものに交換することができます。
/etc/groupも/etc/passwdと似た形式です。
# cat /etc/group
root:x:0:root
bin:x:1:root,bin,daemon
daemon:x:2:root,bin,daemon
(1) (2)(3) (4)...
SL6:x:500:
- グループ名
- グループパスワード(通常使いません)
- グループID
- 二次グループユーザ、/etc/passwdで所属するグループは設定しますが、それ以外に特別に特定のグループに参加させたいという場合に用います。上記例の2行目ではbinグループにユーザroot,bin,daemonが所属しているということになります。
この他に重要なファイルとしては以下のようなものがあります。
- shadow シャドウパスワードの設定
- grub.conf ブートローダの設定
- inittab ランレベルとブートプロセスの設定
- fstab ファイルシステムのマウント設定
- X11 X Window Systemの設定